「公認会計士と税理士なにが違うの?」をわかりやすく説明

「公認会計士と税理士なにが違うの?」をわかりやすく説明

企業で経理を担当していると業務の一つに「会計士の監査対応」や「税理士の往査」が業務に含まれてるかたもいるかと思います。
しかし、対応をしてはいるものの公認会計士と税理士の違いを質問された場合、
公認会計士と税理士の仕事内容の違いが分からず説明ができないかたもいるでしょう。
そんなかた向けにこちらの記事では、公認会計士と税理士の違いについて わかりやすく説明します。

公認会計士とは

まず最初に公認会計士について詳しくご説明します。
公認会計士とは、会計の専門家であり会計監査を独占業務としている職種です。

公認会計士になるには

公認会計士になるにはいくつかの試験に合格する必要があります。
まず短答式試験、次に論文式試験、2つの試験に合格した後に実務補習所に通い、最後、終了考査と呼ばれる試験を合格する必要があります。
論文式試験まで合格した人のことを「公認会計士協会準会員」または「試験合格者」と呼びます。以前は公認会計士補とも呼ばれていました。
公認会計士試験の内容は一次試験が短答式試験、二次試験が論文式試験となります。
・短答式試験:財務会計論、管理会計論、企業法、監査論
・論文式試験:会計学(財務会計論、管理会計論)、企業法、監査論、租税法、他選択科目(経営学、経済学、民法、統計学のうち1科目を選択)
短答式試験合格後、2年間短答式試験が免除されます。この免除期間の2年間に論文式試験のすべての科目を合格する必要があります。
もし2年以内に論文式試験に合格できなかった場合免除は無くなり、再度短答式試験が必要です。
また、会計士試験は試験範囲も膨大になり多くの勉強時間を要します。そのため働きながらでの受験は難しいと考えられています。

公認会計士試験に受験されている受験生のほとんどが論文式試験に合格してから就職活動を開始。ほとんどの方が就職先に「監査法人」をえらばれます。監査法人で日本で特に有名なのが「BIG4」と呼ばれている監査法人です。BIG4は、デロイトトーマツ、EY新日本有限責任監査法人、KPMGあずさ監査法人、PwCあらた監査法人を指します。

公認会計士の業務

最初にご説明した通り、公認会計士は会計の専門家です。
わかりやすく説明すると、公認会計士は、財務諸表や計算書類等のチェックをする専門家です。
公認会計士には独占業務として監査があります。すなわち金融商品取引法や会社法の法律で規定されている「監査」は公認会計士にしか対応できない業務です。
公認会計士は、独立性が重視され、独立性を妨げないようにさまざまな規定が定められています。なお、会社法に規定されている会計監査人の要件は監査法人または公認会計士となっています。また、公認会計士法2条2項にコンサルティング業務が定められているためコンサルティング業務もできます(2条2項業務とよばれます)
 

税理士とは

税理士についてご説明させていただきます。
税理士は、税務に関する専門家です。

税理士になるには

税理士になるには税理士試験を受ける必要があります。税理士試験を合格するには複数ある科目のうち5科目に合格する必要があります。科目には必須科目があります。
まず会計学に関する必須科目は、簿記論と財務諸表論。税法に関する科目は所得税法、法人税法どちらか1科目。相続税法、消費税法、酒税法、国税微収法、住民税、事業税、固定資産税から2科目。
また、公認会計士試験とは異なり免除期間などはもうけられていないため1科目ずつの受験が可能です。
税理士登録をするには2年の実務経験が必要とされています。

税理士の業務

税理士は最初に書いた通り、税務の専門家です。イメージとしては税務に関することや税務申告書の専門家。法人税申告書や消費税申告書などを作成、税務署に届出を行います。申告書の書き方は複雑なため、担当税理士に任せしている会社も多いと思います。また、税制改正や節税の相談だけではなく、普段仕事の中で会計処理や計上方法に悩んだときなども税理士に相談すると的確なアドバイスをくれるでしょう。
税理士の業務は、会社からの依頼によって担当する業務が異なります。一般的には税務申告書に関する業務と会計のアウトソーシングなどです。また、税務署の税務調査時にも同席するなと多岐にわたります。税理士の就職先は主に税理士法人、会計事務所です。

公認会計士と税理士の違い

公認会計士と税理士になるには、先にご説明した通りとても大変な試験を合格する必要です。公認会計士と税理士の違いは業務を行ううえで目的が異なります。
公認会計士は、株主などの投資家のため適正な情報の公開を目指すことです。投資家が投資を検討した際、重要となる判断資料になる損益計算書や貸借対照表です。資料が適正に作成・表示されていることを保証することが公認会計士の役目になります。

税理士は経営者が正しい経営判断ができるようサポートします。
企業の経営者や経理担当者と共に協力し会社のために損益計算書や貸借対照表の作成、税務申告書の作成・届出をすることが税理士の役割です。
また、公認会計士と税理士はクライアント層が違います。
公認会計士は、主に大企業や株式公開をしているまたは株式公開準備中の企業。税理士は企業規模は問わず大企業から個人事業主まで幅広く対応しています。

まとめ

この記事では公認会計士と税理士の違いについて説明しました。
公認会計士は、「会計の専門家」。税理士は「税務の専門家」です。
ただし、公認会計士・税理士はともに会計、税務に関する知識は一通り勉強しているため、実際一緒に仕事をしてみると二つの職種に大きな差は無いように思うかたもいると思います。明確にわける必要はなく、頭の片隅で公認会計士と税理士の違いを理解していただければよいです。

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