失業手当を知る!その3:「再就職手当」というものがあるらしい…?

雇用保険から支給される「就職お祝い金」

雇用保険には、失業中にもらえる失業手当(基本手当)のほかにも、さまざまな手当が存在します。「再就職手当」はそのひとつですが、この手当自体を知らない人、手当のことを知っていても、ハローワークの紹介で就職しないともらえないと思っている人が実は多いのです。
ハローワークで失業手当受給の手続きをしており、かつ早めに就職が決まった人ならもらえる可能性がある手当ですので、ぜひ知っておいてくださいね。

再就職手当の支給要件とは

「再就職手当」とは、就職した場合、または事業を開始した場合に、一定の要件を満たすと支給されます。いわば、ハローワークからの就職お祝い金のようなものですね。
支給要件は以下8つ。すべて満たすことが必要です。

  1. 就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であること
    支給残日数とは、「所定給付日数ーすでに受給した日数」のこと。例えば、所定給付日数が90日の場合、支給残日数が30日以上あることが条件になります。
  2. 1年を超えて引き続き雇用されると認められること
    1年以下の雇用期間で、雇用契約の更新の見込みがない場合や、紹介予定派遣は対象外となります。通常の派遣社員の場合は、1年以内の契約でも基本的には更新が前提とされるため、この条件は満たすと考えられます。
  3. 採用の内定が「受給資格決定日」以後であること

  4. 「待機」が経過した後、職業に就いたこと
    受給資格決定日(離職票を提出した日)から7日間の待機期間に内定が出た場合は対象外となります。
  5. 「給付制限」がある場合:待機満了後の1ヶ月間は、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者の紹介により職業に就いたこと

  6. 離職前の事業主または関連事業主に雇用されたものでないこと

  7. 過去3年以内の就職について、「再就職手当」「常用就職支度手当」の支給を受けていないこと

  8. 雇用保険の被保険者資格を取得していること(雇用保険に加入する労働条件で働いていること)

 

再就職手当は人材紹介会社経由での就職でも支給される

再就職手当についてよく勘違いされているのが、「ハローワークの紹介で就職しないと支給されない」という点です。しかし、上記の支給要件の5にあるように、「許可・届出のある職業紹介事業者の紹介」により就職した場合も支給対象となります。

「許可・届出のある職業紹介事業者」とは、いわゆる人材紹介会社、転職エージェントを指します。こうした会社を利用して就職が決まった場合は、内定日が給付制限期間の1ヶ月目でも、他の要件もすべて満たしていれば再就職手当を受給することが可能です。

再就職手当の申請方法は?

まず、就職が決まったらハローワークに速やかに連絡します。そして、就職日の前日、難しい場合は就職日以降の最初の認定日の「次の認定日」の前日までにハローワークに行き、就職日前日までの失業の認定を受けましょう。その際、事業主の証明を受けた「採用証明書」を持参します。

再就職手当の申請は、就職日から1ヶ月以内に「受給資格者証」と「再就職手当支給申請書」をハローワークに提出して完了となります。再就職手当支給申請書には、雇用先の事業主の署名と捺印が必要です。転職したてでバタバタしていると1ヶ月はすぐ過ぎてしまいますので、期限によく注意して、申請を忘れないようにしてくださいね。

再就職手当の支給のタイミングは、就職日から1ヶ月半〜2ヶ月後ほどとなります。支給・不支給の決定については、文書で通知されます。

まとめ:実はよく知られていない制度。ぜひ活用を!

いかがでしたでしょうか。再就職手当は、早めに就職を決めた人ならもらえる可能性が高いものなのです。制度自体を知らなかったり、知っていても勘違いしていたりして、もらえるはずがもらわずにそのまま過ぎてしまっている…という人も実は多いといわれています。
支給されれば、少なくとも十数万円、多ければ数十万円が受け取れるこの制度。転職活動や、転職前後は何かと物入りですから、まとまった金額が入るのはありがたいですね。転職を考えている人は、ぜひこの制度について頭に入れておき、活用してくださいね!

 

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